9.会社分割とは?
<1>概要
会社分割とは、会社が一部門を切り離して、新設した、あるいは既存の別会社に移転することをいいます。
今回の改正商法では「新設分割」と「吸収分割」という二つの規定ができましたが、「新設分割」では、例えば複数の事業部門を持つ企業が、各事業部を独立した会社とすることにより、経営の効率化を図りたい場合等のケースが想定されますし「吸収分割」では、例えば複数の子会社を持つ親会社が、それらの子会社で重複している事業を統合して、ひとつの子会社に集中させて組織の再編を進めるようなケースが想定されます。
我国の商法には従来この会社分割に関する規定がなかったため、もし前述のような企業組織の再編を図りたい場合には、「現物出資」や「営業譲渡」という従前の諸制度を利用して対処するしか方法がありませんでした。
ところで、会社分割にせよ現物出資や営業譲渡にせよ、いずれの場合にも、このように事業(資産等)が一方から他方へ移転した場合、税法は原則として譲渡損益に課税する立場にあります。しかしながら、経営の効率化等を企図して計画された企業再編に対し税負担がのしかかるとなれば、その計画の推進を阻害することになりかねません。企業再編税制ではこのあたりはどのように手当てされているのでしょうか。
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