3.月次決算のメリットは?
<4>資金繰り分析でわかること
実際の資金繰りは、資金繰り表を作成しないと正確なところはわかりません。この資金繰り表の作成方法は別の機会にご説明することとして、月次決算で簡単にわかる資金繰りについてご説明します。
毎月の売上がそれほど変動しない会社の場合、月次の余剰資金は、その月の純利益に減価償却費を加えた額となります。なぜなら、減価償却費は資金が支出しないのに費用とされるからです。ほとんどの会社は毎月の借入金の返済がありますので、実際の余剰資金は、この額から借入金の返済額を差し引いた額になります。もちろん、固定資産を購入したり、新店舗を借りて敷金を支払ったり、先ほどご説明したように仮払金や貸付金が発生したなどの場合はその額だけ余剰資金は少なくなります。
ところで、売上が増加した場合は資金繰りにどんな影響があるでしょうか。一般には売上が増加すると余分に運転資金が必要になります。これは、商品や材料を仕入れてから一定期間在庫し、売り上げてからその代金を回収するまでの間に運転資金が必要だからです。ただ、業種によってはその運転資金が必要ない会社があります。在庫をあまりおかずに現金売りをする小売店などがその例です。
貸借対照表の受取手形、売掛金、商品などの在庫の金額を加算し、支払手形、買掛金の合計額を差し引き、その結果がプラスならば売上増加に伴って運転資金が必要となる体質であり、マイナスなら売上が増えると運転資金が余り、逆に売上が減少したときに資金が足りなくなる体質となります。
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