3.月次決算のメリットは?
<2>損益計算書の分析でわかること
最初に必要な分析はなんと言っても売上高でしょう。前年同月と比べて伸びたでしょうか、また、累計ではどうでしょうか。予算は達成しているでしょうか。これらの分析を商品別、部門別または営業マン別に行います。そしてその原因をできるだけ正確に把握し今後の販売戦略立案の参考にします。
つぎに変動比率の算出です。
変動比率とは、売上の増加に比例して増加する費用を変動費と言いますが、この変動費が売上に対して何パーセントになっているかの比率です。商品仕入、原材料費、外注費、荷造運賃などが通常、変動費になります。
この変動比率は、会社の総売上に対する比率で算出してもかまいませんが、変動比率の異なる商品を販売しているような会社の場合は販売している商品の種類別に算出するとよいでしょう。この比率を前期や前月の比率と比較します。高くなっていたらその分利益が減っていることになります。直ちに原因を分析する必要があります。値入れ率が同じなのに変動比率が高くなっているとすれば、もしかすると多額の値引きがあったり、商品の滅失、材料の仕損が多く発生しているかもしれません。逆に変動比率が低くなっていると、利益が多くなっているわけですが、なぜそうなったのか不明のままですと、今度は原因不明で変動比率が高くなり、赤字になってしまうかもしれません。したがって、その原因を納得行くまで調査する必要があります。
次に固定費の増減分析です。
変動費以外の費用を固定費と言います。人件費、賃借料などの費用がその代表的のものです。これらは通常、売上高の増減にあまり関係なく発生します。したがって、固定費は、その発生額を前年同月、前月、予算額などと比較するとその変化がよくわかります。コンピューターを使用している会社は、毎月の科目ごとの数字を一覧表で出力できますのでこれを利用すると一目で変化がわかるでしょう。
固定資産の増減分析で大切なのは、経常的に発生する金額を把握することです。特別なイベントや、社員旅行、事故による修繕費などをのぞいた固定費がわかれば、今後の予算が立てやすくなるばかりでなく、異常な支出が発見し易くなり、また、入力などの間違いもすぐわかるようになります。
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