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1.伸びる会社の条件とは?

<3>経営者のコミュニケーション能力

 経営者は、会社経営の指示を部下に正確に伝えなければなりません。このコミュニケーションは、単純に事実を伝えるだけのものではありません。経営者の意思が部下にそのまま伝わらなければならないのです。一般にコミュニケーションとは、事実を伝えるだけのコミュニケーションと、体験や感動を伝えるコミュニケーションがあります。人を動かし得るのは後者のコミュニケーションであり、経営者はそのようなコミュニケーション能力を身につけなければならないでしょう。
 では、どのようにしたらそのようなコミュニケーション能力を得ることができるでしょうか。コミュニケーションはキャッチボールに例えることができます。キャッチボールをするためには、まず双方にキャッチボールを始めようという意思がなければなりません。すなわちどちらかがキャッチボールを始めようと言い、相手方が同意することが必要です。無理に連れて来てもうまくいくはずがありません。次に、ずっとキャッチボールを続けようと思ったら、相手の取りやすいボールを投げるでしょう。強すぎるボールやとりにくいボールを投げたら、相手の人はもう二度とあなたとキャッチボールをしようとは思わないでしょう。
 実際のコミュニケーションで、このキャッチボールと同じことをしている経営者をみかけることがあります。そのような会社では、社員は経営者と表面上は気持ちを伝えるコミュニケーションをしているように見えていても実際には事実を伝えるだけのコミュニケーションになっているのです。
 このような会社では、経営者の意思が社員に伝わらず、全社一丸とならなければならないはずの社員との間にいつかヒビ割れが生じ、社業が傾くことにもなりかねません。
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